配当利回りで配当金のお得度をチェックしよう!

4コマ漫画:配当金とは4

株式投資の魅力のひとつである「配当金」。

企業により配当金の金額が違うので、どっちがお得か迷ったことはありませんか?

そんなとき投資金額により、どれだけお得に配当金をもらえたのか?を表す「配当利回り」という数値があります。

配当利回りで、配当金のお得度をチェックしていきましょう!

配当金目当てで投資するときは、配当利回りから投資先の企業を選びます。

配当利回りでお得度がわかる!

配当金は企業により「1株につき5円」だったり「1株につき20円」もらえますが、配当金をどれだけお得に頂けたのかは、もらった配当金の金額では分かりません。

配当金のお得度は、配当利回りを見ることで分かります。

配当利回りとは、投資金額に対して、いくら配当金をもらえたか?を数値化したものです。

配当利回りが高いほど、投資に対する配当金のリターン率が高くお得です。

配当利回り(%) = 1株あたりの配当金額 ÷ 1株あたりの購入金額 × 100

なお、配当利回りは自分で計算する必要はありません。証券会社の銘柄ページなどで見られます。

配当金は金額でなく、配当利回りでみる

さて、下記のうち、どの企業の配当金がお得か、一目で分かるでしょうか?

  • キーエンス:株価 57,150円、配当金300円
  • キリンHD:株価 2,111円、配当金69円
  • 日本郵政:株価 1,253円、配当金50円

10万円の投資金額めいっぱい買えたと仮定した場合、もらえる配当金は下記の通りです。

(2023.10.13 調べ)
企業名 1株あたりの配当金 配当利回り 10万円分購入した時の配当金
キーエンス(6861) 300円 0.50% 525円
キリンHD(2503) 69円 3.07% 3,268円
日本郵政(6178) 50円 4.39% 3,990円

配当金の金額が大きいのはキーエンスですが、同じ金額分購入した際に一番お得なのは、配当利回り4.39%で配当金を3,990円もえらえる日本郵政です。

配当利回りを見れば、投資金額に対する配当金のお得度をカンタンに知ることができます。

配当金目当てで検索する場合は、配当利回りで検索しましょう!
1株あたりの金額でも検索できますが、お得かどうか分かりません。

後述しますが、証券会社の口座開設でスクリーニング(条件検索)を利用できます。

配当利回りの平均は約2%。通常預金金利の20倍

株式投資の配当利回りは、プライム上場の全銘柄による加重平均で2.32%
日経新聞社の国内の株式指標 / 2024.9.11調べ)

加重平均利回りとは、時価総額に対する配当金総額の割合を示したもの。
海外主要国の株式利回りの多くが加重平均型であるため、国際比較を行う際には、この加重平均利回りを用いることが一般的です。

証券会社のスクリーニング(条件検索)を行い、配当利回りごとの銘柄数を調べてみました。

参考までに

東証に上場している企業は3,884社(2024.1.17調べ)

  • 1%以上:2,697社(全体の69.4%)
  • 2%以上:2,016柄(全体の51.9%)
  • 3%以上:1,178社(全体の30.3%)
  • 4%以上:480社(全体の12.3%)
  • 5%以上:117社(全体の3.0%)

東証が要請したPBR1倍割れ改善の効果か、数年前より配当利回りが高い株が増えてきています。

配当利回りが1%以上の企業は約7割、2%以上は約3割になります。

銀行の預金金利との比較

身近なゆうちょ銀行の預金金利と、利回りを比較してみます。

ゆうちょ銀行に100万円を一年間あずけた際の預金金利です。(2024.9.11調べ)

  • 定期預金(3年)で0.15%
  • 通常預金で0.1%

まだ少し分かりづらいので、実際の利子で比較してみます。

100万円を一年間 運用した場合にもらえる、配当金と利子の金額です。(2024.9.11調べ)

銀行 利回り 配当金
利子
平均の配当利回り 2.32% 23,200円
定期預金金利(3年) 0.15% 1,500円
通常預金金利 0.1% 1,000円

株式投資の配当金は銀行の預金金利に比べて、魅力が非常に高いのが分かります。

カブスルが2023年に得た配当金は約39万円。配当利回りは算出していませんが、配当株は2%以上の株を購入しています。

配当利回りの調べ方

配当利回りの調べ方は主に2つあります。

  • 企業詳細で配当利回りを見る
  • スクリーニングで配当利回りを検索する

どちらも証券会社に口座開設を行い、ログインすることで配当情報を無料で見られます。

企業詳細で配当利回りを見る

証券会社で見られる企業情報には、株価や決算情報、割安度を図る指標などの様々な情報が掲載されています。

配当情報として、配当金や配当利回りの実績、また次回の予想も書かれています。

企業情報に書いてある
(画像はマネックス証券の画面です)

画像のNTT(9432)の場合、2024年の配当金実績と2025年の会社予想が掲載されています。

スクリーニングで配当利回りを検索する

スクリーニングとは、上場市場や投資資金、株価の割安性など様々な条件を入力して目的の銘柄を見つけるシステムです。

証券会社の口座開設で無料で利用できます。

スクリーニングで、配当金や配当利回りを条件として、目的の銘柄を見つけみましょう。

(例)配当利回り 2%以上~4%以下とマネックス証券で検索した場合。

スクリーニングで抽出

配当金目当てで株式を探す場合は、スクリーニングを利用するのが便利でオススメです。

スクリーニングは、複数の条件を同時にセットできます。

割安度や業績の伸びなどと合わせてスクリーニングを行うと、グッと対象銘柄が減りますので、購入したい株式を探しやすくなります。

配当利回りだけだと、1,662件もあるので下記の条件を追加。

  • 投資金額:20万円以下
  • PER:15倍以下
  • 売上高(前期比):1%以上
  • 当期利益(前期比):1%以上
スクリーニングで複数条件

検索条件を追加したら377件にまで絞り込めました。

配当性向で利益の還元度合いを知る

配当性向とは、事業で得た利益のうち、どれくらいの割合を配当金に回しているのかを知る指標です。

配当性向 = 配当金の支払額 ÷ 当期純利益

配当金を狙った投資をする場合、配当性向も見ておいたほうがいいかもしれません。
配当性向は30%~40%がひとつの目安です。

配当性向が高いほど、配当金を出すことに重きを置いている企業になります。
(配当性向が高い会社のPERは同じ配当利回りの会社より高くなります)

なお、配当性向が高い=正義ではありません。
事業の成長に利益を回す会社は、配当性向は低いですし、なんなら配当金もだしていませんので。

配当性向は高いが手元の現金が少ない企業は、配当金を減額する「減配のリスク」が高まりますので、一応チェックしておきましょう。

ワンポイント

こういった企業は注意が必要です。

  • 配当金が増えないのに、配当性向だけ上昇
  • 配当金が増えないのに、フリーキャッシュフローが減っている
  • 配当性向が100%超え(二年以上続くと怪しい)

なお、各企業で目標配当性向を発表している場合がありますが、EPS(1株利益)と合わせて、1株配当金を算出できます。

1株配当金 = EPS(1株利益) × 配当性向

株主資本配当率(DOE)は配当額が安定

配当性向と比較されるものとして、株主資本配当率(DOE)があります。

株主資本配当率(DOE) = 配当金の支払額 ÷ 純資産

DOEは、株主資本(元手)に対して年間どれだけの配当金としての還元をするかをみる指標で、業績に左右される配当性向に比べ配当額が安定しています。

また、中長期的には成長投資が収益化すれば、株主資本が増加し、配当額の増加も期待できます。

また、通常の配当政策(配当性向)に利益率目標(ROE)まで加えた指標ということで、次の式にも置き換えられます。

株主資本配当率(DOE) = 配当性向 × ROE

DOEと配当性向の違い

DOEを使った配当金の求め方と具体例

最近、配当政策として「配当性向30% または DOE5%」のように、2つの指標を併記する企業が増えています。

これは、業績(利益)がブレるときでも、株主資本に対して一定割合の配当を行うことで、配当額を安定させるためです。

  • 配当性向は「利益に対する配当金」
  • DOEは「株主資本(純資産)に対する配当金」

DOEを使った1株あたり配当金(DPS)の求め方は、次の式になります。

1株あたり配当金 = BPS(1株あたり純資産) × DOE

たとえば、DOE5%・BPS400円の企業なら、1株あたり10円の配当になります。

  • DOE 5%
  • BPS 400円
  • 1株あたり配当金 = 400円 × 5% = 20円

一方、配当性向を用いた配当額は、次の式で求めます。

1株あたり配当金 = EPS × 配当性向

企業が「配当性向30%またはDOE5%」「どちらか高い方を採用」と掲げている場合、具体的な数字を入れるとイメージしやすくなります。

参考までに

例えば、1株当たり利益(EPS)が33円、1株当たり純資産(BPS)が400円の企業を考えてみます。

  • 配当性向ベース:33円 × 30% = 約10円
  • DOEベース:400円 × 5% = 20円

この場合、DOEベースのほうが配当額が多いため、1株配当 20円が採用されるイメージです。

この仕組みにより、業績が落ち込んでEPSが減っても、DOEを併用していれば急激な減配を避けやすいというメリットがあります。

配当利回りとPER、PBRの組み合わせ

配当利回り、PER、PBRの組み合わせによって、銘柄のタイプはある程度整理することができます。

まずは、代表的な組み合わせを簡単な比較表で整理してみます。

タイプ 配当利回り PER PBR 特徴
割安高配当株 典型的なインカム株。銀行・商社などで見られやすい
高ROE高還元株 資本効率が高く、株主還元が積極的な企業
成長株 将来の成長期待で買われている銘柄
業績低迷株 利益低下でPERが高く見える銘柄

次に、それぞれの組み合わせについてもう少し詳しく見ていきます。

高配当利回りの銘柄で見られやすい組み合わせ

まずは、高配当利回りの銘柄で見られやすい組み合わせです。

高配当利回り株は、配当収入を重視する投資家に注目されやすい一方で、PERやPBRの水準によって「割安株」なのか、「業績不安で売られている株」なのか、見え方が変わります。

配当利回りの高さだけで判断せず、利益水準や純資産とのバランスもあわせて確認することが大切です。

指標の組み合わせ なりやすい企業の特徴 見るべきポイント 注意点
高配当利回り
低PER
高PBR
利益はしっかり出ている一方で、純資産がやや薄めの企業。資本効率が高く、株主還元に積極的な企業に多い ROE、自社株買いの有無、配当性向、自己資本比率 一時的な利益増加でPERが低く見えている可能性がある
高配当利回り
低PER
低PBR
典型的な割安高配当株。銀行、保険、商社、素材などの景気敏感株で見られやすい PBR1倍割れの理由、資産の質、利益の安定性、減配履歴 市場が成長性や資産価値に不安を持っている場合がある
高配当利回り
高PER
低PBR
足元の利益が落ち込んでPERが高く見える一方、株価は純資産面では割安な企業 今期業績の底打ちの有無、来期EPS回復余地、配当維持余力 業績悪化が長引くと高配当が維持できない可能性がある
高配当利回り
高PER
高PBR
成熟安定株として買われているが、今期利益が弱くPERが高く見える企業。ディフェンシブ株で一部見られる 配当の安定性、利益回復見通し、ブランド力や参入障壁 割安感は乏しく、業績回復が弱いと評価修正が起こりやすい

低配当利回りの銘柄で見られやすい組み合わせ

次に、低配当利回りの銘柄で見られやすい組み合わせです。

低配当利回り株は、配当よりも成長投資や内部留保を優先する企業に多く見られます。

そのため、PERやPBRを組み合わせて見ることで、「成長期待で買われている銘柄」なのか、「市場評価が低いまま放置されている銘柄」なのかを整理しやすくなります。

指標の組み合わせ なりやすい企業の特徴 見るべきポイント 注意点
低配当利回り
低PER
低PBR
市場評価が低い割安株。成熟産業や不人気業種、業績停滞企業で多い 資産価値、構造改革の進捗、株主還元余地 割安のまま長く放置されるバリュートラップの可能性がある
低配当利回り
高PER
高PBR
典型的な成長株。利益よりも将来の成長期待で買われている企業に多い 売上成長率、営業利益率、TAM、競争優位性 成長鈍化でPERとPBRが同時に切り下がりやすい
低配当利回り
低PER
高PBR
利益は出ているが、内部留保や成長投資を優先する企業。設備や不動産などの重い資産をあまり持たず、資本効率が高い企業にも見られる ROE、再投資の質、設備投資や研究開発の回収可能性 還元が弱いため、株主リターンは成長継続が前提になりやすい
高配当利回り
中PER
低PBR
安定配当を重視するインカム株として評価されやすい企業。大型株や金融株、インフラ関連に多い DOE採用の有無、減配耐性、財務健全性 金利上昇や景気悪化で見直し売りが出ることがある
低配当利回り
中PER
中PBR
市場平均に近い一般的な成熟企業。特段の割安感も割高感もない中立的な評価 今後の成長加速要因、還元強化余地、業界内での立ち位置 材料不足だと株価が動きにくい

まとめ:配当利回り・PER・PBRは組み合わせて見る

配当利回り、PER、PBRはそれぞれ単独で見るよりも、組み合わせて見ることで銘柄の特徴を整理しやすくなります。

  • 高配当利回り × 低PER × 低PBR
    典型的な割安高配当株
  • 高配当利回り × 低PER × 高PBR
    資本効率が高い高還元株
  • 低配当利回り × 高PER × 高PBR
    将来の成長期待で買われる成長株
  • 高配当利回り × 高PER × 低PBR
    業績低迷で利回りが高く見える銘柄

同じ高配当利回りでも「割安株」なのか、「業績不安で株価が下がっている銘柄」なのかは、PERやPBRによって見え方が大きく変わります。

配当利回りだけで判断するのではなく、利益水準や資本効率も含めて確認することで、銘柄の特徴をより正確に把握することができます。

配当利回りの良い株の探し方をYoutubeでも紹介

こちらのページに掲載している情報を中心に、配当利回りの良い株の探し方を動画で紹介しています。

また、マネックス証券の銘柄スカウターが進化し、スクリーニング機能が大幅にアップしていますので、そちらで検索条件を細かく設定し、対象の銘柄を探してみました。

動画で設定している検索条件

  • 予想配当利回り:3.3%以上
  • 配当性向:40%以下
  • PBR:1.5倍以下
  • 自己資本比率:30%以上
  • ROE:7%以上
  • 10年間の増益回数:5回以上
  • 連続増配年数

配当利回りに関するQA

配当利回りだけで株を選んでいいの?

配当利回りは投資判断の一つの指標に過ぎません。
企業の財務状況や業績の予測、業界の動向など、多くの要素を考慮して投資判断を行う必要があります。配当利回りだけを頼りにするのはリスクが高いので注意が必要です。

配当利回りが同じ企業が2つある場合、どちらの企業を選べばいいですか?

企業の財務健全性や事業の成長性など、多角的に分析することが重要です。
また、配当の持続性や安定性も考慮点となります。

どういった配当株を買えばいい?

配当金の基盤は業績なので業績が安定している企業がおすすめです。

配当株の中でも安心感が高くなりやすいのは、「DOEを採用している」「累進配当や連続増配を宣言している」企業です。

配当利回りが非常に高い場合、それはリスクが高いということですか?

配当利回りが非常に高い場合、その背後にはリスクがある可能性が高いです。
例えば、株価が大きく下落している、または企業の将来に対する懸念が市場で広がっているなどの理由で、高い配当利回りが示されることがあります。詳しい背景を理解することが必要です。

企業が高配当を続けることは、その企業にとって良いことなの?

高配当を続けることは株主にとって魅力的ですが、企業にとっては必ずしも良いことではありません。高い配当を支払い続けることで再投資や研究開発に使える資金が減少し、成長の機会を逸する可能性も考えられます。

タコ足配当ってなに?

タコ足配当とは、配当金を出すほどの利益がでなかったにも関わらず、自社の資産や積立金を取り崩して配当金に回すことを言います。

特に増配を連続で続けている企業は、その記録を続けるためにタコ足配当をしがちで、コロナ禍で稼ぐチカラが衰えている企業も配当金を出し続けていました。

タコは自分の足を食べることがあることから、この名称がつけられています。

配当金はでているものの、企業の稼ぐチカラが落ちている点に注意です。(決算は見ておきましょう)


株初心者は配当金に注目しがちですが(わたしがそうでした)、投資効率をあらわす配当利回りをチェックするようにしましょう。

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